教諭歴16年目の現役の幼稚園教諭として、これまで3000人以上の子ども達に鉄棒や跳び箱、マット運動などの体操、運動指導をしてきました。
突然ですが自転車練習をしている、こんな光景を見かけたことないですか?

何度転んでも諦めずに一生懸命頑張っている子どもと、自転車に乗れるようになってほしい一心で必死に自転車を支えながら大きな声でアドバイスをする親御さん!
とっても微笑ましく、見ている方も心の中で“頑張れ!”って応援しちゃいますよね?!
しかしその反面“もったいないなぁ~”とも感じます…。
それは自転車の練習を始めたばかりで、このように大人が自転車を支え、子どもがバランスを取りながらこぐ練習はとても遠回りで、非効率的な練習方法だからです!
せっかく頑張って練習している努力が、ほとんど成果に表れないないからです!
せっかくの努力も、正しい方法でなければ意味はありません!
では、どのような練習をすればいいのでしょうか?
私がおすすめするのは、今回ご紹介する5ステップです!
あまり難しくない、たった5つのステップを順番にやるだけで、従来の練習方法に比べ、転ぶ回数もだいぶ少なく、楽しく効果的な練習ができます!
誰でもできますし、誰でも乗れるようになりますので、この5ステップを実践して、自転車に乗れるようになって頂きたいと思います!
これまでの練習方法は何がダメなのか?
自転車の練習というと上記の写真みたいに親御さんが自転車を持って支え、子どもがこぎ始めてから、手を離し、子どもが一人で倒れずこげるようになるのひたすら待つ!というものですね!
この練習方法の何がダメなのでしょうか?
これは一言で言うと“全部をいっぺんに練習している”からです!
ご紹介する5ステップの練習は大きく…
・こぐ練習
・自転車が進んでる時にバランスを取る練習
にわけています!
以前“誰でもできるようになる!逆上がりの一番効果的な練習方法”の時にもお伝えしましたが、子どもは動作すべてを理解し、いっぺんに実践することはできないです。
従来の練習は“こぐ練習”と“自転車が進んでる時にバランスを取る練習”を一緒にやろうとするから、うまくいかないのです!
さらに最初に補助輪がついていない自転車を乗る時、当然子どもは“転んだらどうしよう…怖い”と感じます!
その恐怖心が体を硬直させ、さらに失敗の可能性が高くなります!
従来の自転車を支えて、子どもが乗れるようになる(恐怖心がなくなり、一人でバランスを取れる)までひたすら繰り返す練習の大変さは…
1、“こぐ練習”と“自転車が進んでる時にバランスを取る練習”を一緒に練習しようとするから
2、1に加え、恐怖心から体が硬直する、安心感を持てないことが、さらに失敗の可能性を上げる
3、1と2を繰り返し練習して、感覚を掴んで乗れるようになるには運要素が強く、かなり時間が掛かる
4、乗れるようになるまで、かなりの回数転ぶことが予想され、怪我のリスクが高く、お子様も痛みから練習に消極的になりがち
最短で自転車に乗れるようになる為の、5ステップ
では、上記のような問題をクリアした練習方法とはどんなものでしょうか?
それが、この5ステップ練習になります!
練習の際、そして乗れるようになってからもヘルメットはして下さいね!
ステップ1、こぐ動作を覚える三輪車、補助輪付の自転車練習


まずはこぐという動作の練習をします!
三輪車か補助輪付きの自転車のどちらかでいっぱい乗って遊んで下さい!
道路を走るのが怖い、危ないということであれば、三輪車&自転車OKな公園や広場で練習してもいいと思います!
こいで進むという練習を転倒の心配がない補助輪がついた状態でやることに大きな意味があります!
この練習でこぐ動作、こぐと進むというのを覚えると共にこぐことへの安心感を得るのが目的です!
ステップ2、バランスを取りながら、まっすぐ進む練習


1でこぐのに慣れてきたら、いよいよバランスを取って進む練習です!
この2~4のステップが自転車練習の一番大切な所です!
ここで使用するのは補助輪とペダルを外した自転車か、ストライダーorバランスバイクという名前のペダルがついていない乗り物です!
自転車で練習される方はペダルと補助輪をとって下さい!
2~4のステップの練習ではペダルはこがず、かわりに地面を蹴って勢いをつけるのでペダルがあると足に当たり、地面を蹴りづらいからです!
また自分で自転車が転倒しないようにバランスをとる練習でもあるので、補助輪も外しましょう!
もしご家庭で外せない場合は、自転車屋さんに持っていくと外してくれます!
下記の動画でペダルがついているのは撮影時、単純に外せなかっただけです笑
①両足で地面を蹴って勢いをつける
ペダルを外しているので、地面を蹴って勢いをつけます!
↓
②蹴って進むのをやめて両足を地面からはなす
この地面から足をはなすだけというのが、自転車練習でとても大切です!
ペダルをこがずに足をあげることで、倒れそうになったらいつでも足をつくことができます!
これにより転倒からの怪我のリスクを激減でき、さらにお子様もいつでも足をつけるという安心感から①の動作にもスピードが出てきます!
「怖かったり、倒れそうになったら、すぐ足ついてね!」と言ってあげると、お子様も安心して①ができると思います!
①でスピードが出れば、当然自転車は倒れにくくなるので③のバランスをとるのも簡単になります!
↓
③倒れないように ハンドルでバランスを取りながらまっすぐ進む
すぐ足がつける安心感で①の動作に勢いが出せれば、この③はもう成功したも同然です!
ステップ3、バランスを取りながら、ゆっくり大きく曲がる練習
①両足で地面を蹴って勢いをつける
↓
②蹴って進むのをやめて両足を地面からはなす
↓
③倒れないようにハンドルでバランスを取りながらゆっくり大きく曲がる
この③がステップ2と違う所です!
ステップ2ではまっすぐ進むだけでしたが、このステップ3では曲がってみましょう!
自転車練習で一番転倒の可能性が高いのがこの曲がる時です!
まだ乗ってバランスを取ることに慣れてない時に、さらにバランスを崩しやすいのがこの曲がる動作だからです!
なのでこのステップ3ではまず大きくゆっくり曲がってみましょう!
ゆっくり大きくの方がバランスを崩しにくく、比較的簡単だからです!
左曲がりができたら、今度は右曲がりといった具合に必ず両方向どちらにも曲がる練習をしましょう!
そしてこの時も、倒れそうなら足をつくことを伝えてあげて下さい!
足をつかずに曲がれるようになったら、きちんとバランスを取れるようになったということなので、ステップ3クリアです!
ステップ4、バランスを取りながら、細かく早く曲がる練習
①両足で地面を蹴って勢いをつける
↓
②蹴って進むのをやめて両足を地面からはなす
↓
③倒れないようにハンドルでバランスを取りながら早く細かく曲がる
ステップ3で足をつかずにゆっくり大きく曲がれるようになったら、今度はこのステップ4で早く細かく曲がる練習をしてみましょう!
ここはステップ3のゆっくり大きく曲がるよりも、さらにバランスを崩しやすいです!
早く細かく曲がるということはハンドルを左右に早く動かし、それに伴う左右への重心移動もハンドルに合わせてスピーディーに行わないといけません!
どれか一つ動作のタイミングがズレることで体全体のバランスが崩れ、転倒しやすくなるということです。
最初はゆっくりでいいです。
慣れてきたら、段々とハンドルを左右へ動かすスピードを上げていきましょう!
ステップ5、最後にこぎながら、バランスを取る練習
1~4の練習が十分できたら、いよいよペダルをつけた自転車でこぎながら乗る練習に入ります!
これが皆さんがよく知る自転車の練習方法ですよね?!
上記のように最初はお子様が乗る自転車を支えてあげて下さい!
まずはステップ2と同じでまっすぐ進んでみましょう!
倒れないようにバランスを取ってこげているようであれば、支える力を弱めたり支える手を離してみて下さい!
↓
支える手を離して自分で乗れるようになったら、ステップ3&4と同じように曲がる練習をしましょう!
ただ手を離しても、倒れそうになった時に支えてあげられるように、最初のうちは大人の方が自転車に並走してあげるのがいいと思います!
従来の練習法のようにステップ1~4の練習をせずに、いきなりこの5を練習してもうまくいかないです…。
逆にステップ1~4の練習で足を上げてバランスを取ることができるようになっていれば、この練習はわりとすぐできるはずです!
私の娘もステップ5の練習を始めて2回目で乗れるようになりました!
それも1~4の練習が土台にあったからだと思います!
買った方がいいのはストライダー?自転車??
参考までにですが、我が家は1歳後半~2歳前半くらいに三輪車に乗り始めました!
その後3歳後半~4歳前半くらいに自転車(確か16インチ)を購入し乗る練習を始めました!
そして今回の5ステップ練習法で4歳半くらいの時に補助輪なしで自転車に乗れるようになりました!
もし1~2歳くらいの時から三輪車に乗るようでしたら、ストライダーは買わなくていいのかなと思います…。
ストライダーのように地面を蹴ってこぐ練習をしたいのであれば、自転車を買ってペダルと補助輪を外せば、ストライダーと同じです!
一番コスパがいいのは1歳後半~2歳くらいの時に体に合った小さめの自転車(12インチくらい)を購入し、補助輪をつけ三輪車代わりにこぐ練習をしたら、同じ自転車でステップ2~5まで練習し、自転車に乗れるようになるまで使い続けることですね!
12インチくらいだと4歳で乗ると少し自転車が小さいように見えますが、サドルの高さを調節すれば4歳でも十分乗れます!
自転車が大きすぎて困ることはあっても小さすぎて困ることはあまりありません!
(例えば自転車が大きすぎてサドルを調節しても足が届かないとか)
お子様から乗りにくいと言われたら、その時の体に合った自転車を再度購入してあげればいいと思います!
三輪車もストライダーも自転車も安くはありません!
なるべく買い替える必要がないようにしてみては、どうでしょうか?!
まとめ
幼児期はまわりのお友達も段々と自転車に乗れるようになる子が増え、お子様が自分も乗りたいと言ったり、親御さんも乗れるようになってほしいと考える時期だと思います!
なるべく早く乗れるようになってほしいと願うのは当然ですが、急がば回れです!
今回ご紹介した5ステップで練習をすれば、誰でも必ず乗れるようになりますし、何より従来の練習方法に比べて、転倒のリスク、回数が激減し、比較的安全に練習ができるはずです!
ぜひ実践して、楽しく自転車に乗れるようになって下さいね!
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