教諭歴18年目の現役の幼稚園教諭として、これまで3000人以上の子ども達に鉄棒や跳び箱、マット運動などの体操、運動指導をしてきました!
今回は子どもの姿勢の良し悪しで起きる身体の変化についてご紹介します。
姿勢が悪いと内臓が圧迫されて…
- 食欲がなくなったり、消化不良になりやすい。
- 呼吸が浅くなり、脳に送られる酸素が減ることで集中力が切れやすくなる。
- 血流が悪くなることでめまいや頭痛、免疫力の低下に繋がる。
他にも…
- 背骨が湾曲したり、身体のバランスが崩れる。
- 左右で見る距離が変わったり、近くで見過ぎでしまうことで視力低下、学習面での理解力、思考力低下に繋がる。
上記は一例ですが、他にも様々な悪影響が出てきます。

姿勢が悪くなる主な原因は4つ
子どもの姿勢が悪くなる主な原因として以下の4つが挙げられます。
筋力が不足、低下している
まずは原因が筋力不足の場合です。
腹筋や背筋の筋力がないと背筋を伸ばしたままの姿勢をキープすることができず、段々と背中が丸まってしまいます…。
生活習慣、生活リズムの乱れ
生活習慣やリズムの乱れも姿勢の悪さの原因になります。
寝るのが遅いと日中眠くなってしまい、自然と姿勢が悪くなっていきます。
また日中外に出ず部屋の中にずっといると、太陽の光を十分に浴びることができません。
太陽の光には脳を活発に働かせることができる神経伝達物質であるセロトニンを増やしてくれる働きがあります。
セロトニンは〝幸せホルモン〟とも呼ばれていて、体内で増えていくと集中力がアップしたり、ストレス解消になります。
逆に室内でばかり遊んでいるとセロトニンが体内で十分に作られず、ストレスが溜まりやすくなったり、集中力が散漫になり、結果姿勢が悪くなりやすいです。
机と椅子の高さ、距離が合ってない
食事や勉強等で机を使う際、椅子との高さがお子様の身長に合ってないと無理な姿勢で食べたり、書いたりすることになり、それが習慣になってしまうと姿勢の悪さに繋がってしまいます。
長時間スマホやゲームを使用する
スマホやゲームを使う時、肩や腕が身体より前に出ることで姿勢が悪くなる原因になります。
大人でもスマホの長時間使用で首の痛みや頭痛、肩こりが生じるストレートネック(スマホ首)になっている人が多いですね。
姿勢を良くすることで起きる変化とは?!
では姿勢が良くなると子どもにどういった変化が起きるのか?
特に変化を感じやすいのは以下の3つの場面です。
学習面
背筋を伸ばした状態で勉強することで呼吸がしやすくなり、十分な酸素が脳に送られることで集中力が増し、学習効果が向上します。
また読んだり、書いたりする所を両目で見ることで脳が入ってくる情報をまとめ、処理しやすくなるといわれています。
そして学習だけでなくお絵描きやぬり絵でもそうですが、姿勢を良くすることで描いている手元が見えることで文字や絵の上達が早まります。
運動、遊び面
いい姿勢を保とうとするには最初は意識的に胸を張り、身体を少し反るようにします。
その際にお腹や背中に力を入れることで筋力UPに繋がります。
食事面
姿勢を良くることで圧迫された内臓が正常に機能し、消化がよくなります。
お腹が空きやすくなることで食事量も増え、健全な発達、発育に繋がります。
また姿勢が悪いままだときちんと噛んで食べられずに歯並びや噛み合わせが悪くなりがちですが、そのリスクも回避でき、逆に歯並びや噛み合わせがよくなります。
姿勢を良くする方法とは?!
姿勢を良くする方法として以下の4ステップがおすすめです。
少しずつでも実践していくことで徐々に姿勢が良くなり、日常的に活発になったり、色んなことに意欲的に取り組めるようになるはずです。
姿勢を正して座ることの重要性や効果を説明する
まずは姿勢がよくなることで起こる変化や効果をお子様に話してみましょう。
例えば…
- 集中して頑張れるようになるから、いろんなことが上手になる。
- 遊びや運動が得意になる。
- ご飯がいっぱい食べられるようになって背が伸びる。
まずそのメリットを話してお子様に〝姿勢をよくしよう〟と思ってもらうことが大切です。
お子様自身がその効果を知って、納得しておくことで、その後の姿勢矯正への取り組みも積極的になります。
親が普段から見本をみせる
普段から親御さんが姿勢をよく座っている姿を見せるのも効果的です。
いい姿勢を保つポイントとして…
- 足の裏を床に全部つけて、膝の角度は90°にする。
- 絵や字を書く時は肘を90°にして書く。
- 重心は前にくるように座る。
- 背もたれにはお尻の少し上だけがつくようなする。
- 両肩が後ろにくるようにやり過ぎなくらい胸を張る。
「パパ(ママ)の背中まっすぐでかっこいいでしょ?」
など声を掛けながら見本をみせることで、自分も負けないようにいい姿勢を保とうとします。
その際に親御さんの姿勢を見て真似しようと考えます。
親御さんの姿勢がいいとお子様も真似しやすいですし、親子揃って姿勢をよくしようとする習慣はいいですよね。
身体を動かして遊ぶ習慣をつける
そして次は遊びや運動習慣をつけるです。
普段から遊びや運動で身体を動かすことによって、全身の筋力がついていきます。
前述しましたが、背筋を伸ばした姿勢を保つには主にお腹と背中の筋力、筋持久力が必要です。
これは姿勢矯正の中で必要な筋力をつけていくより、自然に筋力がつくように普段から外で遊ぶことをおすすめします。
理由として…
- 楽しみながら筋力UPになる。
- 筋力や筋持久力だけじゃなく体力や瞬発力等、他の能力も同時に向上する。
- 身体を動かして遊ぶことでストレス発散になり、姿勢を正す以外の面で集中力UPに繋がる。
おすすめなのは公園の遊具遊びです。
遊具遊びには…
- 種類も豊富にある。
- 遊具ごとで伸ばせる能力が異なる。
- 何より公園に行けば気軽に身体を動かして遊べる。
といったメリットがあります。
また外でいっぱい遊ぶことで太陽の光もいっぱい浴びることができますよね。
無理なく座れる環境を作ってあげる
最後はお子様に合った高さの椅子やテーブル、環境を整えてあげることです。
- 椅子とテーブルの高さのバランスが合ってない。
- 椅子とテーブルの間隔が近すぎたり、遠すぎる。
- 足の裏が床につかずに、足をブラブラさせている。
上記のような状態だと、姿勢を正したまま字を書いたり、食事をしたりできず、どうしても姿勢が悪くなってしまいます。
また集中できず、注意力も散漫になりがちです。
そのため…
- 高さの変えられる椅子やクッションを使う。
- テーブルとの距離を拳一つ分空ける。
- 足の下に台を置いて、足の裏全体がつくようにする。
等を意識して、無理なく姿勢を正せる環境を作ってあげてください。
また姿勢矯正器具を使うのも効果的です。
矯正器具のメリットとしては、親御さんが「背中伸ばして!」等の声を掛けなくても済むところですね。
〝いい姿勢〟を自然と身体で覚えることができます。
おすすめの矯正器具は以下の2つです。
椅子、クッション
まずは座るだけで姿勢を矯正してくれる椅子やクッションです。

矯正ベルト
矯正ベルトは背中につけるタイプの矯正器具です。
椅子やクッションのように座った状態だけでなく、動いている立ち姿勢の時も姿勢を矯正してくれるのが魅力です。
まとめ
いかがでしたか?
普段の生活の中で意識しながら、今回ご紹介したことを少しずつでも実践していくことでお子様の姿勢は良くなっていきます。
日頃の生活で身体能力を自然に高めていける習慣は他にもあるので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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