教諭歴16年目の現役の幼稚園教諭として、これまで3000人以上の子ども達に鉄棒や跳び箱、マット運動などの体操、運動指導をしてきました。
前回、公園の遊具遊びから見える、子どもの運動能力低下の危険性ということでご紹介致しました。
また遊具で一人で遊べるようになる為には具体的にどう練習すればいいのかということで、いろんな遊具の遊び方をご紹介しました!
今回はブランコを一人で漕いで遊べるようになるにはどうしたらいいか、その為のプロセスについてご紹介したいと思います!
ほとんど大人が押しているブランコ遊び
公園でよく見かけるのは、ブランコに乗っている子どもの背中をずっと大人が押している光景です…。
勢いがつく前の最初だけ押してあげるというのであればわかりますが、ずーっと押し続けている方も結構見ます!
そして小さい子なのかなと思って見ると、年中~年長児、時には小学校低学年くらいの子まで、一人でブランコを漕ぐことができずに大人に背中を押し続けてもらっているのです…。
もちろんすべての子どもがそうではないですが、こういった光景を見ることが多くなってきて、私にとって衝撃でした…。
では押してもらっている子どもは何をしているのか…。
何もしてません笑
まあ当たり前といったら、当たり前ですよね笑
だって押してもらっているわけですから、何かをする必要がないわけです!
でもこの、子どもが何もしていないという所がとても問題なのです!
子どもが何もしていないということは…
これでは自分で漕ぐ楽しさや達成感をいつまでも味わうことができず、とてももったいないと思います!
また大人の方がブランコに慣れていない子の背中を思いっきり押して、子どもが怖がっているのを見ますが、これは絶対にやめて下さい!
最初はゆっくり押していき、子どもが遠心力に耐えられ、恐怖心もないことがわかり、段々と押す力を強めていくならまだいいですが、いきなりすごい力で押すとその遠心力で子どもが手をずっと握ってられずにブランコから落下してしまいます!
ブランコは漕ぐスピードに耐えられるようになったら、また少しスピードを上げて、段々と大きく漕げるようになっていく遊具です。
子どもの体と気持ちの準備ができていないのに大人が子どもの許容の範囲を超えた勢いで背中を押すのは、落下による大怪我を誘発する大変危険な行為ですし、子どももブランコが怖くなってもう遊ばなくなってしまいます!
一人で漕いで遊べるようになるにはどうしたらいい?
では一人でブランコを漕げるようになる為には、どうすればいいのでしょうか?
漕げるようになる為の、ステップは以下の2つです。
1、漕ぎ続ける為には、重心移動による振り子の原理が大切
まずは一番大切なブランコの振り子の動きを、重心移動によって増幅させていく練習です!
この重心移動をする為に大切なのは足の動きです!
2、漕ぎ始める時の初動の練習
1ができるようになったら、漕ぎ始める最初の動作を練習します!
上記の動画のように座ったまま、足がつくギリギリまで下がって下さい!
ただし地面に足がつかないうちは、これはやらなくていいと思います!
その分、1がきちんとできるようにいっぱい遊び、足がつくくらいの身長になったら、この2のやり方を教えてあげて下さい!
ブランコを一人で漕ぐ上で大切なのは、あくまで1の所だからです!
足を地面から上げればブランコが動くので、そこから1でやった足の前後運動でどんどん勢いをつけていけば完成です!
まとめ
今回は基本的なブランコの漕ぎ方をご紹介しました!
ブランコは三半規管の発達にも影響を与える大切な遊びです!
慣れてきたら、立ち漕ぎ等、別の漕ぎ方で遊んでも楽しいです!
座って漕げるようになれば、立って漕ぐ時も足からの重心移動という点では同じ体の使い方になるので、あまり難しくはないと思います!
ただ慣れていない最初の頃は大人の方が横にいて落下等のアクシデントに備えられるようにして下さい!
最近は親御さんもお子様に対して、運動や遊びに限らず“何でもやってあげ過ぎてしまう”部分があるように感じます!
心配な気持ちもわかりますが、お子様の為を思うのであれば危険がない範囲で“一人でやらせてみる”というのも大切です!
困ったり、できなければ、子どもは自分で何とかしようと考えます!
それでも難しい時、お子様が不安そうにしている時は、親御さんも一緒に遊びながら“この子が一人で遊べるようになるにはどういう風な手伝いをしてあげればいいのか”という目線で遊びを導いてあげて下さい!
子どもは遊びの天才です!
ブランコを一人で漕いで遊べるようになれば、それが自信となり、他の遊具でも自ら積極的に遊ぶようになり、親御さんも我が子の成長に驚くはずです!
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