教諭歴17年目の現役の幼稚園教諭として、これまで3000人以上の子ども達に鉄棒や跳び箱、マット運動などの体操、運動指導をしてきました!
今回は赤ちゃんの原始反射についてご紹介します!
「原始反射って何?」
という方も多いと思いますが、原始反射は赤ちゃんの神経の発達を促す上でとても重要な動きです。
1歳未満のお子様がいらっしゃる方はぜひご覧ください。
原子反射とは?
原始反射とは生まれながらに備わっている、刺激に対して赤ちゃんが自分の意志とは関係なく反応する身体反射動作のことをいいます。
原子反射は新生児(生後4週間前後)~1歳くらいまでには消滅します。
原子反射の種類と時期
原始反射には様々な種類があり、個々によって消失の時期も異なります。
代表的な原子反射と消失の時期をまとめてました!
歩行反射
出現:出生時 消失:生後2~3か月頃
歩行反射とは脇の下から赤ちゃんを抱えて足の裏が床に触れると、両足や片足を前後に出して歩き出すような動作をする反射です。
歩行反射が消失するとおすわりやずり這い、ハイハイが始まる目安です。
モロー反射
出現:出生時 消失:生後3~4か月頃
モロー反射とは仰向けに寝かせた赤ちゃんの後頭部を持ち上げた後に、急に頭を下ろすと驚いたように両腕を広げたり、しがみつくように両腕を縮こまらせるような動作をする反射です。
把握反射
把握反射とは手足を刺激することで、無意識的に握る仕草を見せる反射動作です。
手の把握反射は〝手掌把握反射〟足の把握反射は〝足底把握反射〟と言われています。
手掌把握反射
出現:出生時 消失:生後3~4か月頃
手掌把握反射とは赤ちゃんの手の平を触ると、触った指をぎゅっと握り返してくる反射です。
この反射が消失すると物を掴めるようになる目安です。
足底把握反射
出現:出生時 消失:生後9~10か月頃
足底把握反射とは赤ちゃんの足の裏の親指の付け根にあるふくらみを押すと、足のすべての指が内側に曲がる反射です。
緊張性頸反射
出現:出生時 消失:生後3~4か月頃
緊張性頸反射とは身体の片側を刺激すると反対側が無意識に反応し、身体の平衡を保とうとする反射動作です。
緊張性頸反射には以下の2つがあります。
対称性緊張性頸反射
対称性緊張性頸反射とは赤ちゃんをうつ伏せにして頭を持ち上げると腕が伸び、足が曲がり、反対に頭を下げると腕が曲がり、足が伸びる反射です。
非対称性緊張性頸反射
非対称性緊張性頸反射とは赤ちゃんを仰向けに寝かせた状態で首を左右の一方に曲げると、顔が向いている方の手足が伸び、反対側の手足が曲がる反射です。
この反射は刺激を与えなくても赤ちゃん自身の動きの中で見られます。
この反射の消失が寝返りが始まる目安です。
ギャラン反射
出現:出生時 消失:生後4~6か月頃
ギャラン反射とは赤ちゃんの背骨の外側を上から下へ擦ると擦った方に身体に曲げる反射です。
おしりを振っているように見えるのが特徴です。
引き起こし反射
出現:出生時 消失:生後2~5か月頃
仰向けで寝ている状態から赤ちゃんの両腕を持ちそのままゆっくり起こすと、頭を持ち上げようとする反射です。
引き起こし反射には段階があり…
- 生後1~2ヶ月頃:頭が後に反れ、腕が伸びたまま起き上がる。
- 生後3~4ヶ月頃:頭と首が身体と平行になり、手足が曲げながら起き上がる。
- 生後5~6ヶ月頃:首が身体と平行になり、肘を曲げて引き起こしに協力する。
- 生後7~8ヶ月:頭を前に倒しながら、肘と足を曲げて起き上がる。
哺乳反射
哺乳反射とは赤ちゃんがおっぱいを飲むために必要な以下の反射動作の総称です。
これらの原子反射は赤ちゃんが生まれてすぐにおっぱいが飲めるように備わったと言えます。
探索反射
出現:出生時 消失:生後4~6か月頃
探索反射とは赤ちゃんの唇に乳首や指が触れると、触れた乳首や指を探すように上下左右に首を回す反射動作です。
捕捉反射
出現:出生時 消失:生後4~6か月頃
探索反射後にそのまま乳首をくわえようとする動きをすることがあります。
これを捕捉反射といい、唇に乳首や指が触れると唇を丸めて乳首や指をくわえようとする反射です。
口唇吸啜反射
出現:出生時 消失:生後4~6か月頃
口唇吸啜反射とは赤ちゃんの口の中に乳首や指が入れると、規則的に吸いつく反射動作です。
この口唇吸啜反射は赤ちゃんがお母さんのおっぱいを吸うことができるので、とても大事な反射となっています。
赤ちゃんが空腹の時にこの反射は強くなり、逆にお腹がいっぱいの時は反射が弱くなる傾向があります。
嚥下反射
出現:出生時 消失:生後5~6か月頃
嚥下反射とは赤ちゃんがおっぱいを飲んだ時に飲み込む反射動作です。
押し出し反射
出現:出生時 消失:生後5~6か月頃
押し出し反射とは離乳食のような固形物が舌に触れると、それを舌で押し返してしまう反射動作です。
離乳食に慣れていない時期だと食べ物を吐き出してしまうことがあるのは、この反射が影響しています。
バビンスキー反射
出現:出生時 消失:1~2歳
バビンスキー反射とは赤ちゃんのかかとからつま先まで刺激すると、足の親指が外側に曲がって他の指が扇状に広がる反射です。
フランス人医師のジョゼフ・バビンスキーが発見した原始反射なので、バビンスキー反射と呼ばれています。
ランドウ反射
出現:生後3ヶ月頃 消失:生後2歳頃
ランドウ反射とは赤ちゃんをうつ伏せにして身体を水平にすると、頭を上げて身体の水平を保とうとしたり、逆に頭を下げると腰を曲げてハイハイのような動作をする反射です。
なくならない反射も
原始反射は備わったもので生まれてすぐから出現し、生後数か月~1年前後で自然に消失することが多いのが特徴です。
厳密には原始反射とは区別されますが、一度反射が起きると一生消失しない反射もあります。
姿勢反射
出現:生後6ヶ月頃 消失:なし
姿勢反射とは赤ちゃんを座らせて、身体を左右に傾けると頭を真っすぐに戻そうとする反射です。
パラシュート反射
出現:生後8〜9ヶ月頃 消失:なし
パラシュート反射とは赤ちゃんの身体を後ろから持ち上げて急に身体を前へ傾けると、自然に両腕が前に出て身体を支えようとする反射です。
ホッピング反射
出現:生後9ヶ月頃 消失:なし
ホッピング反射とは赤ちゃんが立った状態で身体を前後左右に動かすと足を踏ん張ったり、前後左右に足を出して、転ばないように身体を支えようとする反射です。
反射が消えなくても焦る必要はない
消失時期を過ぎても原始反射が消失しない場合もありますが、消失するタイミングは個人差があるため、必要以上に焦ったり無理に止めたりしないようにしましょう。
あくまでお子様の発育、発達の目安として知っておくくらいでいいでしょう!
まとめ
いかがでしたか?
原始反射は赤ちゃんの成長の目安になる反面、異常を早く捉えるという重要な役割もあります。
- モロー反射
- 口唇吸啜反射
- 把握反射
- 歩行反射
の4つは1ヶ月検診でのチェック項目にもなっています。
成長には個人差があるので原始反射が消えないことをあまり気にしなくて大丈夫ですが、どうしても気になる時はお医者さんに相談してみましょう。
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