教諭歴16年目の現役の幼稚園教諭として、これまで3000人以上の子ども達に鉄棒や跳び箱、マット運動などの体操、運動指導をしてきました!
以前、運動能力は赤ちゃんの頃から伸ばそう!普段の生活で実践してほしいこと3選!をご紹介しました!
これは主に首が据わる生後3か月くらいから出来る運動能力を伸ばす方法ですが、今回は更に効果的なハイハイをいっぱいすることで得られるメリットについてご紹介します!
子どもの成長の過程
生まれてからは以下のように成長、発達過程を経ます!
生後3~4か月頃 首が据わる
生後4~6か月頃 寝返りをする
生後6~9か月頃 おすわりをする
生後6~9か月頃 ずりばいをする
生後8~10か月頃 ハイハイをする
生後9~10か月頃 つかまり立ちをする
生後10か月前後~ 伝い歩きをする
生後1歳前後~ 一人歩きをする
上記はあくまで目安です!
成長、発達のスピードに個々で違うので「うちの子まだやらないんだけど…」と焦らなくても大丈夫です!
ずりばいに慣れてきたら、ハイハイをやってみよう!
ハイハイの前にずりばいをすることが多いです!
ずりばいとは、ほふく前進のように胸とお腹を床につけて、手足で床を押したり引いたり交互に動かし前後に進む動きです!
ずりばいをするようになり、動きがスムーズになったらハイハイ開始の目安です!
ハイハイをいっぱいした方がいい理由とは?
最近はずりばいやハイハイをする期間が短く、早めに立ったり、歩き始める子も増えてきています!
一見すると成長が速く、良いことのように思えますが、ハイハイで得られる運動能力や転んだ時に自分の体を守る力を培えません…。
親御さんは立ったり、歩いたりする練習をさせるよりも、ハイハイをいっぱいするように促しましょう!
具体的にハイハイをすると、どんなメリットがあるのでしょうか?
大きく以下の5つが挙げられます!
全身の筋力が鍛えられる!
体を支えながらハイハイをすることで、首や腕や肩、背筋、腹筋といった全身の筋力UPに繋がります!
特に腕と背中の筋力、筋持久力が鍛えられます!
これは鉄棒のつばめ、逆上がりをする時に必要になってくる能力です!
体幹、バランス能力がUPする!
ハイハイでは床を蹴るように進んでいきます!
床を蹴りながら進んで行くことで、足の指が鍛えられバランス能力が向上します!
足の指の力が弱いと歩けるようになった時にバランスを崩しやすくなります…。
バランス感覚に大きな影響がある、土踏まずの形成にも繋がります!
またお腹や胸を床につけないように頭を上げて進むことで、体幹が鍛えられます!
ハイハイ中に倒れそうになった時に、反射的に体勢を元に戻そうとする調整力も身に付きます!
幼稚園の体操教室でもハイハイの難しいバージョンである、くま歩き、ねこ歩きと呼ばれている運動をやっています!
ハイハイと違う所は…
膝を床につけずに、お尻を高く上げて行う!
膝を床につかない分、ハイハイよりもバランスを取るのが難しくなっています!
3歳の年少クラスでこのくま歩き、ねこ歩きをやると「この子はハイハイをいっぱいしたんだろう!」というのが、すぐにわかります!
逆にあまりハイハイをしてこなかった子は…
- 全身の筋力や筋持久力が弱く、すぐに疲れてしまう…。
- バランスを崩した時に踏ん張ったり、体勢を戻せずに横にコロンと倒れてしまう….
くま歩き、ねこ歩きが上手な子は腕や背中の筋力が優れ、バランス能力が高いといえます!
これは跳び箱を跳ぶ上でも非常に重要な能力です!
早い時期から視覚を刺激できる!
ハイハイをすることで、赤ちゃんの行動範囲が一気に広がります!
自分で行きたい所に行き、いろんな物を見ることで視覚刺激に繋がります!
脳の発達に繋がる!
床を押してハイハイをすることで、手の平、足の裏が刺激され、脳の活性化に繋がります!
手足の協応が鍛えられる!
ハイハイをする時には、手と足を交互に動かして前後に進みますよね?!
この手と足を同時に使うことを協応動作、協応運動と言います!
まわりを見ながらハイハイをするのも 協応動作、協応運動ですね!
手と足に限らず、体の2つの部位を同時に使うことが協応動作なので、生きていく上では必須と言えます!
もう少し大きくなってから協応動作をスムーズにしたい時は、滑り台の階段登りやジャングルジム遊びをおすすめします!
親のアプローチ方法
ではいざハイハイをさせたいと思った時に、どうすればいいのでしょうか?
親御さんができるおすすめの方法は以下の2つです!
ハイハイをやって見せてあげる!
まずは親御さんがハイハイを見せてあげましょう!
楽しそうにやることで赤ちゃんも興味を持ち、親御さんの真似をしてやり始めるかもしれません!
目標物を置いてあげる!
ハイハイが出来るようになったら、好きなおもちゃを少し前に置いたり、親御さんがお子様を呼んであげて下さい!
お子様はその目標に向かってハイハイをするようになります!
少しずつ遠くに置くことで、ハイハイの距離を伸ばしてみましょう!
ハイハイをする時の注意点は?
ハイハイをする時には以下の4つに気をつけましょう!
広いスペースをつくる!
思い切りハイハイできるように広いスペースをつくってあげましょう!
周りに物があるとそっちが気になったり、テーブルの角のような頭をぶつけたら怪我に繋がるものは部屋の端に寄せておくようにしましょう!
裸足にする!
ハイハイをする時は裸足にしてあげましょう!
靴下を履いていると床の材質によっては滑ってしまい、うまくハイハイが出来ません…。
裸足であれば、どんな床でも滑らずにハイハイが出来ると思います!
また裸足で床を蹴りながらハイハイすることで、足裏が刺激され、神経系の発達に効果的です!
ジョイントマットを敷く!
ハイハイをし始めの頃は、バランスを崩して倒れがちです…。
床がフローリング等、硬い材質だと転倒時に怪我のリスクがあります…。
床が硬い時は下にジョイントマットを敷きましょう!
布団のような柔らかいものだと、ハイハイをする時にうまく床を蹴れなかったり、ズレてぐちゃぐちゃになってしまいます…。
ジョイントマットはある程度の硬さで、クッションの役割もありつつ、ハイハイをしてもズレないのでおすすめです!
ご自宅に和室がある方は、畳の上もおすすめです!
私も子どもが小さい時にハイハイをさせる時は、ジョイントマットの上で裸足にしました!
目を離さない!
ハイハイ時期はいろんな物に興味を持つ時期でもあります!
口に物を入れたり、高い所から落ちたりすることもあるので、ハイハイをしているお子様から目を離さないようにしましょう!
まとめ
いかがでしたか?
なるべく早く立って歩いてほしいと願うのは親として当然です!
しかしハイハイをする時期は限られており、その時期にどれだけハイハイをするかで後のお子様の運動能力に大きな影響を与えます!
人はいつか歩くようになります!
私も子どもが小さい頃は一緒にいっぱいハイハイをしました!
親が楽しく一緒にやってくれると、子どもも楽しくハイハイをするようになります!
またハイハイをいっぱいやったおかげか、運動能力が高くなりました!
歩き初めが早かったお子様も、ハイハイでいっぱい遊べるように親御さんが促して下さい!
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