教諭歴16年目の現役の幼稚園教諭として、これまで3000人以上の子ども達に鉄棒や跳び箱、マット運動などの体操、運動指導をしてきました!
突然ですが逆上がりの練習をしている親御さんから…
「補助ベルトを使ったら、逆上がりってすぐできるようになるんですか?」
「練習を始めた時から使った方がいいんですか?」
「効果あるんですか?」
「どんな補助器具があるんですか?」
と逆上がりの補助器具について聞かれることがあります!
逆上がりができるようになってほしい親御さんにとって、これは気になりますよね…。
なので今回は…
- 補助具の種類
- 使ったら本当にできるようになるのか?
- 補助具を効果的に使えるベストタイミングとは?
について、ご紹介したいと思います!
どんな補助具がある?
逆上がりの補助具にはどんな物があるのでしょうか?
有名なのは以下の2つですね!
補助ベルト
まずは補助ベルトです!
逆上がりの際、足の蹴り上げや鉄棒をお腹に引き寄せる腕の力が弱いと、身体を持ち上げらずに落ちてきてしまいます…。
そんな時にこのベルトで鉄棒と身体を繋ぐことで、鉄棒に身体を吊るすような状態になるので、多少蹴り上げの勢いや腕の力が弱くても、身体が落ちずに逆上がりができます!
おすすめの補助ベルトは以下の2つです!
おすすめポイントは…
- 耐荷重80kgなので小学生でも安心して練習ができます!
また親御さんが見本をみせたり、一緒に練習もできますね! - 取り付け、取り外しが簡単です!
- 30~53cmでベルトの長さ調整ができるので、段階的に練習ができます!
最初は短めの長さから始めて、できたら少しずつベルトを長くしていきましょう!
古くなった長めのタオルでも代用できますが、取り付けや長さ調整が難しく、時間が掛かるので、練習中の子どものモチベーションが低下しやすいです…。
補助板
もう一つの補助具が補助板です!
小学校や幼稚園、保育園の鉄棒の前に置いてあるのを見たことがあると思います。
補助板を掛け上がることで、簡単に逆上がりを体験できるというものですね!
補助具を使っても、できるようにならない…その理由は?
よく聞かれるのが…
「補助具を使って毎日練習しているけど、全然できるようにならないんです!どうしてですか?」
ということです。
これは補助具を使うタイミングが違うからです!
例えば補助ベルトは練習を始めたての頃に使っても、ほぼ効果はありません…。
腕の力がつき、ある程度の高さまで自分で足を上げられるようになってから使うことで、初めて効果があります!
どの補助具を…
どのタイミングで…
どのように使うか!
お子様の今のレベルを把握すると共に、上記を知っておくことが大切です!
いくら補助具が優れていても、使うタイミングを間違えれば、いつになっても逆上がりができるようにはなりません…。
各補助具を使うベストタイミングとは?!
ではそれぞれの補助具を効果的に使えるタイミングはいつでしょうか?
練習し始めの頃
練習を始めたばかりの頃は補助板を使って練習しましょう!
使い方としては補助板の上まで駆け上がり、逆上がりをして下さい!
補助板なしで逆上がりをする時には、このように空中を掛け上がるわけではないので、あまり意味のない練習に見えるかもしれません…。
しかし練習を始めた頃は逆上がりの動きもわかっていない状態なので…
- 逆上がりの一連の動きを覚えてスムーズにできるようにする!
- 後ろに回る感覚を養い、恐怖心を和らげる!
- 遊び感覚で練習できる!
まずは補助板を使って後ろに回転する動きを覚え、段々とスムーズに回れるようにしましょう!
これを楽しく覚えられるように、まずは補助板を使って駆け上がっての逆上がりの練習がおすすめです!
足とお尻が上げられるようになったら…
逆上がりの動きを覚え、足とお尻が上記くらい上げられるようになったら、補助ベルトを使って練習しましょう!
最初はベルトを短めにして、できたら少しずつ長くしていって下さい!
ベルトを一番長くした状態で逆上がりができた時が補助ベルトを外すタイミングです!
補助ベルトがあれば身体が落ちにくくなる反面、自分の力で回ろうとする気持ちが薄れがちです…。
なので補助ベルトでの練習の際には肘を曲げたまま、鉄棒を自分のおへそにくっつけるイメージで引きつけながら、足を蹴り上げるように声を掛けてあげながらやって下さい!
あとちょっとで出来そうという時には…
補助ベルトを外せるようになり「あとちょっとで出来そう!」という時には、再度補助板での練習がおすすめです!
使い方としては…
掛け上がる距離を短くしてみましょう!
また蹴り上げない足で補助板を→方向に押してから←に蹴り上げて下さい!
→に押す力が強いほど、←方向に力強く蹴り上げることができます!
おへそを支点に後ろ方向に蹴ることで成功率が高くなります!
家に踏み台があれば、これも有効な補助具になります!
少し高さのある台に足をのせて↓方向に力強く踏むことで、↑方向に足を蹴り上げやすくなります!
補助板の時とは違い、今度は高く蹴り上げられるようになります!
補助板と踏み台、どちらの方が効果的か、やりやすいかはお子様の状態によっても違うので、どちらがいいかわからない時は両方試してみましょう!
できたら少しずつ低い台にしていって下さい!
重要なのは補助具だけでじゃない!
各補助具の使い方と一番効果的に使うタイミングをお伝えしましたが、逆上がりを成功させるのに大切なのは補助具だけではありません!
それは人です!
例えば「補助ベルトは外せて、あとちょっとで出来そうなんだけど…」という時に親御さんが隣で足の蹴り上げの際に、背中を〝ポン!〟と押してあげるのも、最後に鉄棒を引きつけるタイミングを覚えるのにとても効果的です!
踏み台がない時でも親御さんの足を踏み台代わりにすることで…
- 高さ調節が細かくできる!
- どれくらいの力で踏めているかを知ることができる!
- 踏み込む力が足りない時は蹴り上げのタイミングで足を少し上げてあげることで、足りない力を補える!
特に成功間近の状態だと、腕の引きつけや足の蹴り上げ、踏み込む力がわずかに足りなかったり、各動作の連動タイミングがわずかにズレていたりと繊細な補助が必要になってきます!
そんな時は補助具よりも人の手の方が、できてない所だけを補う正確な補助ができます!
また練習を始めたての頃でも、親御さんが横にいてくれるだけで、お子様は安心して練習できますよね?!
まとめ
いかがでしたか?
逆上がりは「この補助具を使えばできるようになる!」と補助具に頼るだけでは成功させるのは難しい技です…。
頼るのではなく、どの補助具を、どのタイミングで、どうやって使うかを知り、あくまで逆上がりができるようになる為の一つの手段として、うまく活用する意識が大切です!
ぜひ補助具をうまく使って、逆上がりの成功をお子様と一緒に目指して下さいね!
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