教諭歴16年目の現役の幼稚園教諭として、これまで3000人以上の子ども達に鉄棒や跳び箱、マット運動などの体操、運動指導をしてきました!
今回はお子様が「鉄棒やるの怖い…もうやりたくない!」と鉄棒で遊ぶのが怖くなってしまった時にどうしたらいいかをお伝えします!
私も勤務する幼稚園の体操教室で、鉄棒が怖くなってしまったお子様といっぱい向き合ってきました!
これまでの経験で得た、無理なく怖さを克服する方法をご紹介します!
怖くなってしまった原因がわかっている時は?
特定の技をやったことで怖さを感じるようになった時は、無理に同じ技をやるように促すのはやめましょう!
もしやる時も少し簡単なステップまで頑張ってみようと声を掛けてみましょう!
例えば…
足抜き回りで回るのが怖い時は、後ろに回らなくていいので鉄棒に両足を掛ける所までやってみる!
恐怖心が薄れるように、あくまで少しずつ無理なくやるようにしましょう!
鉄棒をすること自体を嫌がる時は?
・原因がわからない!
・お子様が教えてくれない!
・怖さを感じる原因はわかっているけど「怖いから、もうやりたくない!」と恐怖心が大きい状態!
そんな時はどうしたらいいのか?
それは「簡単な技、出来る技をやってみよう!」と誘ってみて下さい!
例えば足抜き回り、豚の丸焼きとかですね!
ぶら下がって揺れるブランコでも大丈夫です!
一番大切なのは無理強いしないこと!
「何で簡単な技なんてやるの?」
「怖くなった原因の技を練習して、恐怖に打ち勝たないと出来るようにならないんじゃない?!」
なんて思う方もいるでしょう!
でも心が前を向いていない時に、怖くなった技を無理にやらせても逆効果です…。
大切なのは鉄棒遊びを嫌悪しないようにすること!
怖い思いをした技を、またすぐに頑張ろう!と思える子はあまりいません…。
簡単な技だったり、怖いと感じた技と全然違う技で大丈夫なので「鉄棒をまたやりたい!」と思えるように配慮することが大切です!
もしお子様が「もう一回挑戦してみる!」と前向きな気持ちになれたら、ぜひ怖くなった技にもう一度挑戦してみて下さい!
怖さを感じやすい技は?
幼児期にやる鉄棒の技で怖さを感じやすい代表的なものは以下の3つです!
怖いと感じる原因と怖さを軽減する方法、大人の補助の仕方をご紹介します!
お布団の場合
お布団はつばめから〝こんにちは〟をして上半身を前に畳む技です!
怖くなる理由として…
・つばめの視点が高い状態から体を畳もうとすると、前に落ちてしまうのではと想像して恐怖心を抱く…。
・お布団→前まわり降りを止まらずに一気にやろうとする!
スピードが出て恐怖心を抱きやすい…。
怖さを感じにくくする為には…
・低い鉄棒でやってみる!
鉄棒が低ければ、目線も比例して低くなります!
「効果あるの?」と思いがちですが、子どもの目線ではかなり効果的です!
・上半身を前に畳もうとする際に肘を曲げながらやる!
これは肘を曲げる事で体も畳みやすくなるからです!
また肘を伸ばしたまま前に倒れようとすると背中も伸び、回る際に必要以上にスピードが出て止まれなくなってしまったり、目線が低くなりません…。
最初のうちはつばめ→お布団で一度止まることをおすすめします!
大人の補助の仕方は…
つばめをしたら…
↓
片手でお尻を押さえ
↓
もう片方の手で肩や胸を押さてあげる!
この時にお子様には肘を曲げながら体を前に畳むように伝えましょう!
肘を曲げることで、体を畳みやすくなります!
おへそを見られない時は…
・肩や胸ではなく後頭部を軽く押さえて、おへそを見られるようにしてあげる!
この時強く後頭部を押すのではなく、あくまでおへそを見ながら体を畳めるように軽く押さえてあげて下さい!
強く押してしまうと更に恐怖心が大きくなってしまいます…。
大人の方が体を持っていてあげると、お子様も安心できるはずです!
「絶対に落ちないように体を持っているからね!」と声を掛けてあげるとより効果的です!
恐怖心がなくなっていくと、余計な力が段々と抜けていくのがわかります!
その時は大人の方の補助の力も段々と減らしていきましょう!
前まわり降りの場合
前まわり降りはお布団をした後に、前に回り着地する技です!
怖くなる理由として…
・前に回って着地するまでに「手が離れて落ちてしまうかも…」とイメージしてしまう…。
鉄棒から手が離れて、落下の危険、不安を軽減する方法として…
- お布団をしたら一度止まる!
お布団で体を畳んだ際、一度止まると前まわり降りで勢いが出過ぎてしまうのを防げます! - 腕に力を入れながら、なるべくゆっくり回って降りる!
回るスピードが速いと、腕に掛かる負荷も大きくなり鉄棒から手が離れやすくなります…。
また視界がぐるぐる回り、怖さも増してしまいます…。 - 膝を曲げながら回って降りる!
膝を伸ばして回ると体が棒のようにまっすぐになり、回るスピードが速くなってしまいます…。
膝を曲げながら回ることでブレーキを掛けることができ、ゆっくり降りられます!
大人の補助の仕方は…
お布団をしたら…
↓
片手でお子様の手を上から押さえ
↓
もう片方の手で腰を押してあげる!
鉄棒を持っているお子様の手を上から押さえるのは、万が一鉄棒から手を離してしまった時に頭から落下するのを防ぐ為です!
また腰を押してあげることで、足を降ろす方向を覚えられます!
こうもりの場合
こうもりは両足を鉄棒に掛けて、両手を放す技です!
怖くなる理由として…
・逆さになり両手を離すと、落ちると思ってしまう…。
怖さを克服する方法として…
・最初は大人の補助で手を離しても大丈夫と感じられるようにする!
大人の補助の仕方は…
両足を鉄棒に掛けたら…
↓
お子様の両足の甲をおしりの方に、もう片方の手で背中を押さえる!
↓
「絶対落ちないように支えてるから、片手だけ放してごらん!」と伝えてあげましょう!
離しやすい方の手で大丈夫です!
・片手を離せるようになったら、今度は両手を離してみましょう!
こうもりは大人の方の補助がとても重要です!
補助の仕方で怖さを克服出来るかが決まります!
まとめ
いかがでしたか?
鉄棒が怖くなると親御さんとしては焦って無理にやらせたり、鉄棒から遠ざけがちです…。
大切なのはお子様の怖いという気持ちに寄り添ってあげ、何が怖いのか、どうしたら無理なく怖さを克服できるかを考えてあげることです!
大好きな親御さんが自分の気持ちをわかってくれて、その上で一緒に考え、頑張ってくれるのがお子様が恐怖心を克服できる一番の方法ですね!
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