教諭歴17年目の現役の幼稚園教諭として、これまで3000人以上の子ども達に鉄棒や跳び箱、マット運動などの体操、運動指導をしてきました!
今回は幼児期から伸ばしておくべきおすすめの能力である、非認知能力についてご紹介します。
海外の調査で注目され、最近では幼稚園や保育園でも耳にすることがある非認知能力ですが、具体的にはどんな能力なのでしょうか?
そもそも非認知能力って何?
偏差値やテストの点数、IQのように点数や指標などで明確に認知できる能力を認知能力といい、逆にコミニュケーションや集中力等数値化することはできないが、子どもの将来や人生を豊かにする一連の能力のことを非認知能力といいます。
これまでは偏差値や体力測定といった認知能力が重要視されてきました。
日本は学歴社会と言われているのが良い証拠ですね。
しかし最近の研究では認知能力より、非認知能力を伸ばした方が人生を豊かに生き、将来の成功にも繋がりやすいことがわかっています。
具体的にどんな能力があるのか?
幼児期に身につけておくべき重要な能力である非認知能力ですが、具体的にはどんな能力を指すのでしょうか?
非認知能力がもたらす効果とは?
非認知能力が注目されたきっかけとして、2000年にノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマンが行った〝ペリー就学前教育プロジェクト〟という研究が挙げられます。
これは何年もかけて行われた社会的調査で、経済的理由から幼児教育を受けさせられない貧困世帯を対象に読み書き等の授業を2年間行いました。
その結果…
就学前教育プログラムを受けなかった子に比べて、大人になってからの所得や認知能力である学歴等に明確な差が生じたという結論が導かれました。
非認知能力を効果的に伸ばすおすすめの方法とは?
幼児期のうちに子どもに身につけてほしい認知能力ですが、どうやって身につけて伸ばしていけばいいのか?
おすすめは以下の2つです!
外遊び、特に公園の遊具遊び!
公園は知ってる友達や初めて会う子と一緒に遊ぶ機会が多いですよね?!
他者と関わり、触れ合いながら遊ぶことで様々な非認知能力が育まれていきます。
例えば…
- 遊びたい遊具があっても、すでに遊んでいる子がいれば並んで待つ必要があることで自制心が養われていく。
- 友達と砂で大きな山を作る時、話や相談をしながら一緒に作ることで社会的能力や共感力、思いやり、創造性が育まれていく。
1人で遊ぶ時も…
- 自分で好きな遊具を選んで遊ぶことで意欲的、主体的に行動できるようになる。
- 逆上がりがうまくできなくても諦めずに何度も挑戦することで自立心や忍耐力、回復力、対処能力が身についていく。
このように公園の遊具遊びは…
- 自分で遊ぶ遊具を選ぶ。
- 遊び方見つける。
- 遊び方を工夫する。
- 友達と一緒に遊ぶ。
することで、様々な非認知能力が伸びていきます。
お手伝い
また家で出来る簡単なお手伝いもおすすめです。
お手伝いを任されることで責任感が生まれる(主体性)
↓
自分の力で頑張ろうとする(自立心)
↓
どうしたら効率よくこなせるかを考えながら行う(創造性)
↓
失敗を繰り返しながら、最後まで諦めずにやりきる(回復力・対処能力、忍耐力)
↓
やりきることで自信が生まれる
(メタ認知ストラテジー、自己肯定感)
↓
また別のお手伝いに挑戦したくなる
(意欲)
このように遊具遊びと同じで様々な非認知能力が伸び、1回の成功が次のお手伝いへの意欲、行動に繋がっていく、いいループになります。
遊具遊びもお手伝いも非認知能力だけじゃなく、運動能力も一緒に伸ばすことができるのもいいですね!
非認知能力を効果的に伸ばすための4つのポイントとは?
非認知能力をより効果的に伸ばすために、押さえておくべきポイントを4つご紹介します。
子どものありのままを認め、受け入れてあげる
非認知能力を伸ばす上で親御さんの愛情は欠かせません。
〝自分は必要とされているんだ〟
〝自分は愛されているんだ!〟
と実感することで子どもは〝大丈夫なんだ!〟と安心でき、臆せずにいろんなことに挑戦できます。
どんな時でもお子様に愛情を持って接してあげましょう。
子どもの好奇心を邪魔しない
子どもの好奇心を邪魔しないのも重要です。
好きなことなら意欲的、積極的に継続的に取り組めるのは大人も子どもも同じです。
好奇心を尊重してあげることで、物事に意欲的、積極的に取り組むことを覚えられたり、対処すべきことを工夫する能力が伸びていきます。
いろんな経験して成功体験を多く積めるように配慮する
なるべく多くのことを経験をしながら、成功体験を積むことも大切です。
例えば…
このように1つの成功体験が自信に繋がり、また違うことにチャレンジしてみようという意欲になります。
様々な経験、成功体験を積むことで自己肯定感がどんどん高まっていきます!
子どもの心に寄り添い、共感してあげる
最後は子どもの気持ちに共感してあげることです。
大人でも嬉しかった時、悲しかった時、イライラした時、周りの人にその気持ちを共感してほしいと思うものです。
自分の気持ちを受け止めてもらえたことで、悩んだ時も自分の気持ちを言いやすく、失敗した時も自分の気持ちを立て直しやすくなります。
まとめ
いかがでしたか?
今回は非認知能力の重要性をご紹介しましたが、だからといって認知能力をおざなりにしていいわけではありません。
努力の証明として認知能力は重要ですし、認知能力を習得する中で、非認知能力を伸ばしていくという、両立が大切なことは忘れないでください!
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